医師 エル グレ子のブログ

流浪の医師によるゆるプアブログ

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読者のみなさまへ



一人でも読者がいる!!!

きょう初めて気が付きました。わんちゃんの写真のあなた!ありがとう。

外来

外来は楽しい



というと語弊があるね



何が楽しいか。患者と触れ合えるから?触れ合うためならキャバクラへ行ってください



患者の訴えは実にユニーク。

「ばい菌がくっついて足が痛いんです」という患者がいた。この患者、数日前に風邪を引いて微生物が体に入って暴れまわり、その結果足が痛いのだ、と解釈している。


患者の世界は事実ではない。患者の解釈が入った世界なのです。事実でなければなんなのか。これ、意見の範疇なんですね。


事実と意見を混同すること。すなわち迷いなり。


なので僕らはいつも事実の抽出を進める。いつから痛いのか?随伴症状は?どんな痛み?痛みに波はある?曲げ始めが痛いの?などなど、事実の範疇で定量化していく。様々な症状を定量化して時系列にまとめるだけ。


これをすると、やっと考察に移れるわけだ。


結局バイキンが悪さして足が痛いと言ってた人は、咳がでたのはなんと来院3週間前で、数日で収まって、来院1週間前に農作業をしこたまやって、その翌日から体が痛いってことでした。


で今は痛みはほとんど良くなってるけど心配だという。


患者は医学知識がないので迷って当然。患者の解釈を解きほぐし自分はこう思うと言うことが大事。大事なことは「相手のここが間違ってる」と言わないこと。自戒の念を込めて。


テクニック的だけど気をつければ誰だって出来るでしょう。初めからできれば良いけどできなきゃ勉強して覚えればいい。仕事はできないことを見つけて出来るようにすることで幅は広がるからね。特に医者の世界は、患者から求められる以上応えるためにできるようにならねば。


昨日より今日より明日が一番であるように。

今日頑張るのです。


時々真面目。でもこれマジ自分に言い聞かせてます。

凡人でも生き抜く術

ブログを書き始めて

人のブログを拝見することが多い。


みんな文章うまいね。日本で高校まで教育受けてて、特別文章の書き方を教えてくれるわけじゃないのにどこで覚えたのだろう。


また下の話になるがエロい行為だって好きなら技術の進歩があるわけで、つまり好きこそ物の上手なれ、なのかねえ。


構成力も上手い人がいるけれど、自分の中でフォーマットができてるのだろうか。その時々で絶妙に構成を変えられる人ってすごいと思う。


漫才が好きでよく見てるけど、売れてる人のネタ、ちょっと昔でいうとブラマヨのネタなんかは結構どの漫才も構成が同じ。面白いので良いのだけど話芸の構成はまあある程度決まってはいるけどおそえあく少しずつ構成を変えてネタを作ってるんだろう。


医者もプレゼンする機会は多い。うちは毎日受け持ち患者のプレゼンをする。このとき、いつまでたっても下手な研修医がいて、そういう医師は何年経っても下手。これは本人の問題だけじゃなく、それを教える上級医が仕事を放棄してることも一因だ。下手である人にどうしたら良くなるのかを教えないとね。


プレゼンで重要なのは構成力、と思いがちだが俺らの場合、フォーマット以外にないと思う。

守・破・離といって、まずフォーマットを守り、着崩して、自分の道を模索する、武士道だったかの生き方を示した言葉があるが、たいていの研修医はフォーマットすら勉強せずおわる。


なぜフォーマットが大事か。バットの素振り、ランナーのフォームと同じ。正しいフォームでなければ上達しないよね。このフォーマットのもっとも優れるところは、フォーマットの項目を埋めていくだけ。つまり、情報の漏れを抑えることにある。情報の漏れが抑えられれば、いついかなる時も高得点。何度プレゼンしようが安定の点数を叩き出す。


定石ってあるね。野球のノムさんのID野球と同じ考えだと思う。非凡な才能を持つ人は何やったってすごいのかもしれない。でも、凡人は戦えないかといえばそうじゃない。凡人でも秀才と渡り合えるのが医師の世界なんだよね。ここが面白いとこで、旧帝大出身の医師でもこのフォームを知らないまま歳を重ねてる人が多い。新卒の旧帝大出身者が10年後力をつけて能力に優れた医師になることってもちろんあるのだけど、正しいフォームがない医師ならその能力はたかが知れている。


真面目にコツコツできるかどうか。才能なんて初めからいりません。誠実に患者に向き合えれば自ずとコツコツやれる。問題はやはりその方法だね。


やみくもに、ガムシャラに頑張るのも良いけど、合理的な方法を言語化してみることから始めてみるのもいいかもね。まあ、実は書籍化されてるんでアマゾンとか見てみると良いです。


研修医の皆さん頑張って。